「皮脂が多く赤ニキビがたくさんできる」
「何をしてもニキビが治らない」
「保険治療を続けても改善しない」
そんな難治性ニキビに対して使われる治療のひとつが、イソトレチノインです。
イソトレチノインは、皮脂分泌を抑え抗炎症作用のある内服薬で、海外では重症ニキビ治療として広く使用されています。
高い効果が期待できる一方で、副作用や注意点もあるため、正しく理解したうえで治療を行うことが大切です。
今回は、イソトレチノインについてわかりやすく解説します。
イソトレチノインとは?

イソトレチノインは、ビタミンA誘導体(レチノイド)の飲み薬です。
ニキビの原因のひとつである「過剰な皮脂分泌」に働きかけ、皮脂腺を小さくすることでニキビをできにくくします。
また、
- 毛穴詰まりの改善
- 炎症の抑制
- アクネ菌が増えにくい環境づくり
にも作用するといわれています。
特に、赤ニキビや膿をもったニキビを繰り返す方に効果が期待できます。
どんなニキビに向いているか?

イソトレチノインは、すべてのニキビに使用するわけではありません。
特に適応となるのは、以下のようなケースです。
☞繰り返す炎症ニキビ
治ってもまた同じ場所にできる、赤ニキビや膿ニキビを繰り返す方。
☞保険治療で改善しないニキビ
塗り薬や抗生剤を続けても改善が乏しい方。
☞皮脂分泌が多い
テカリや毛穴詰まりが強い方。
☞ニキビ跡が残りやすい方
炎症が長引くことで、クレーターや赤身などのニキビ跡につながるケースもあります。
ニキビ跡予防の観点から、早めに治療を検討することもあります。
イソトレチノインの効果

◎皮脂分泌を抑える
毛穴の中にある皮脂腺(皮脂を出す組織)を縮小させる働きがあるため、皮脂の分泌量の減少が期待できます。
◎皮脂の角化を抑制
皮脂細胞にの働きを正常化させ、毛穴が詰まりにくくなるように改善します。
◎アクネ菌の減少
皮脂を抑制し毛穴の詰まりを改善することで、ニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖することができなくなります。殺菌効果はないですが、菌が生きられない環境を作ることで菌を減らします。
◎抗炎症作用
ニキビの炎症を鎮める強力な抗炎症作用によって、炎症した赤ニキビを鎮静します。
副作用は?

●乾燥
最も多い副作用で、主に肌や唇の乾燥が起こりやすくなります。
保湿やリップケアをしっかり行うことが大切です。
●肝機能・脂質異常
肝臓の数値(ALT,ASTなど)、中性脂肪やコレステロール値が上昇することがあります。
多くの場合、軽度で一時的なものなので、服用を中止すれば元に戻ることがほとんどですが、安全のために定期的に血液検査を行い、数値をチェックすることが重要です。
●催奇形性
胎児に先天異常(奇形など)を引き起こすリスクが非常に高い薬です。
服用中および服用中止から6ヶ月間は避妊が必要です。
その他にもアレルギー症状、頭痛、吐き気、関節痛などが出現する場合があります。
また、視力低下を生じる可能性もあるため、気になる症状があればすぐに受診してください。
内服方法・注意点

✓ 1日1錠を食後に内服
✓ 16週~24週間の継続を推奨
✓ 定期的に採血が必要(自費で5500円程)
✓ 内服中・内服終了後6か月は妊娠・授乳を避ける
✓ 内服中・内服終了後6か月は献血をしない
✓ テトラサイクリン系抗菌薬との併用禁止
✓ ビタミンAサプリとの併用禁止
✓ 自己判断で服用を中止しない
まとめ
イソトレチノインは、保険診療ではなかなか治らない重症ニキビや繰り返すニキビに高い効果が期待できる治療薬です。
皮脂の分泌を抑え、ニキビができにくい肌環境へ導くことで、長期間悩んできた方の症状改善につながることがあります。
一方で、唇や肌の乾燥、肝機能や脂質への影響など、副作用に注意しながら治療を進める必要があります。
特に妊娠中や妊娠を希望している方は服用できないため、治療前に医師へ相談しましょう。
イソトレチノインは効果が高い反面、正しい知識を持って服用することが大切です。気になる症状や不安がある場合は自己判断せずに、医師の診察を受けたうえで治療を検討してみてください。


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